ゆがみサブツールでイラストを簡単補正-CLIP STUDIO PAINT Ver.1.11.6-
[1]ゆがみサブツールとは
CLIP STUDIO PAINT Ver.1.11.6で追加された、[ゆがみ]サブツールを使うと、ペンでなぞるだけで、特定のパーツの形状やサイズを変更できます。厚塗りのイラストや下絵のバランスを調整するのに便利です。
フィルターと異なり、[ゆがみ]サブツールはキャンバス上のレイヤーに直接編集を行えます。ラスターレイヤー・選択範囲レイヤー・レイヤーマスクに使用できます。
ver.2.0から、任意の複数のレイヤーにゆがみを適用できるようになりました。
アップデートした時期により、色混ぜサブツールグループの裏に、ゆがみグループとして追加されている場合があります。
[ツールプロパティ]パレットの[ゆがませ方]でゆがみの種類を変更すると、パーツの大きさを変えられます。ここでは[収縮]を選択しています。
最初に選択範囲を作成しておくと、選択範囲内だけに効果を適用できます。
右の図は、選択範囲を作成していないため、髪や輪郭にも効果が適用されています。
階調のある選択範囲の場合は、選択範囲の濃度が下がるほど、[ゆがみ]サブツールの効果も弱くなります。
[2]ゆがみの種類
[ゆがみ]サブツールには、さまざまなゆがみの種類があります。[ツールプロパティ]パレットの[ゆがませ方]から、ゆがみの種類を選択できます。
■進行方向
ドラッグすると、ペンのストロークの方向に合わせて、画像がゆがみます。
■膨張
ドラッグすると、ペンのストロークの中心を広げるように、画像がゆがみます。パーツを大きくしたいときに向いています。
同じ位置でペンを長押しすると、長押しした位置を中心に膨張するような効果をつけられます。
■収縮
ドラッグすると、ペンのストロークの中心を縮めるように、画像がゆがみます。パーツを小さくしたいときに向いています。
同じ位置でペンを長押しすると、長押しした位置を中心に収縮するような効果をつけられます。
■進行方向の左
ドラッグすると、ペンのストロークの方向に対して左側に、画像をずらします。
■進行方向の右
ドラッグすると、ペンのストロークの方向に対して右側に、画像をずらします。
■時計回りに回転
時計回りに回転するように画像をずらします。
同じ位置でペンを長押しすると、図のようになります。[操作した箇所の画像のみを参照]をオンにすると、効果が変わります。
■反時計回りに回転
反時計回りに回転するように画像をずらします。
同じ位置でペンを長押しすると、図のようになります。[操作した箇所の画像のみを参照]をオンにすると、効果が変わります。
【POINT】
[Alt]キーを押しながらドラッグすると、効果が反転します。例えば、[ゆがませ方]を[膨張]にしている場合は[収縮]になります。[ゆがませ方]を[進行方向]にしている場合は、ストロークの逆方向に画像がゆがみます。
[3]ゆがみツールの効果範囲
ver.2.0から、複数レイヤーに[ゆがみ]ツールを適用できるようになりました。レイヤーを統合しない状態で、調整が容易にできます。
[レイヤー]パレットで任意の複数レイヤーを選択した後に[ゆがみ]ツールを使用します。
■レイヤーマスクを選択している場合
レイヤーにマスクを適用している場合、[マスクをレイヤーにリンク]のオン・オフでゆがみの範囲が切り替わります。
・[マスクをレイヤーにリンク]がオンの場合
レイヤーマスクとレイヤーの描画内容が連動してゆがみます。
・[マスクをレイヤーにリンク]がオフの場合
マスクとレイヤーの描画内容のうち、選択されているほうがゆがみます。
■レイヤーフォルダーの場合
レイヤーフォルダー単位でもゆがみを適用できます。
レイヤーフォルダーに適用されたマスクの範囲にもゆがみをつけられます。
■選択範囲レイヤーの場合
[選択範囲をストック]で作成した範囲にゆがみをつけられます。
[4]ゆがみツールの効果を調整する
[ゆがみ]サブツールは、[ツールプロパティ]パレットのほか、[サブツール詳細]パレットの[ゆがみ]カテゴリで、効果の強さや硬さを調整できます。
・強さ
[ゆがみ]サブツールの効果量を設定できます。[強さ]の値が大きいほど、変形の効果が強くなります。
・硬さ
[ゆがみ]サブツールの効果の硬さを設定できます。[硬さ]の値が大きいほど、マウスカーソルの範囲内がまんべんなくゆがみます。
・操作した箇所の画像のみを参照
[ゆがみ]サブツールを使用するときに、参照する範囲を設定できます。オンにすると、[ゆがみ]サブツールでなぞった部分の画像だけを参照します。
次の図は、選択範囲を作成して、[ゆがみ]サブツールを使用した例です。オフにすると、選択範囲外の画像も参照して、効果を適用します。
・アンチエイリアス
オンにすると、[ゆがみ]ツールの効果にアンチエイリアスがかかり、なめらかになります。
オフにすると、元の色を維持したまま効果を適用できます。効果適用後にくっきりした色になりますが、色の境界がギザギザする場合があります。
[アンチエイリアス]を設定すると、次のように効果の適用方法が変わります。
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