[1]空気感の描写

大雑把にこの風景の距離感を出していきたいと思います。といっても、よくある空気遠近法です。
たいしたことは無いのに一番時間のかかったところです(主にPCの処理時間的な意味で)。

[エアブラシ]ツールの[柔らか]などを元にぼけたブラシを用意します。サイズは限りなく大きくします。
ここではCLIP STUDIO PAINTで設定できる最大のブラシサイズ:2000pxにします。

そろそろ10000pxくらいのブラシが作れるようになってもよいと思うので、早く登場して欲しいと熱望しています。
ちなみにこれから行う作業は[グラデーション]ツールでも同じことができそうな気もしたのですが、結局ブラシを使ったほうが意図する形に近いものができるという結論に落ち着きました。

では新しいレイヤーを作り、背景の地平線にそって以下の感じに白色で描き込みます。
白色を使うのは、太陽光が大気に反射した際の発光色だからです。夕日でも無い限りは、昇った後の太陽光は人間の目には強すぎて「白」で認識されます。

ストロークの方向が分かりやすいように赤で補助線を入れていますが、実際はキャンバスの外でストロークしています。
ストロークしている間は、描画処理に時間がかかるため、お茶でもいれて待ちます。デスクのそばに積んである小説も読みます。
終わったらレイヤーの不透明度を15%くらいに下げます。

次に、そのレイヤーを複製し、空気をもう一枚作ります。
[選択範囲]ツールで画面(レイヤー)全体を選択(ショートカット:[Ctrl]+[A]キー)すると、選択範囲の下に[選択範囲ランチャー]が表示されます。選択範囲ランチャーから[拡大・縮小・回転]を選びます。

レイヤーを以下の状態まで拡大します。

20000pxくらいの幅になっているような気もしますが、気にせず広げます。
画像処理のあいだ、先ほどいれたお茶を飲みながら待ちます。

複製する前のレイヤーの不透明度は15%にしていましたが、ここでは分かりやすいように100%にして表示しています。変形が終わったらレイヤーの不透明度を7%くらいにします。

光が当たってない建物の下方部分にも軽く空気感を出しておきたいと思います。
1200pxサイズくらいのぼけたブラシを使って、以下の部分に影が落ちている部分全体の中間色~濃い目の色で描き込みます。

空気遠近では対象のすべての色がぼやけますが、すべての色を片っ端からぼかすのは大変ですし、周囲を丸ごとコピー&ペーストしてぼかしフィルターをかけるという方法もありますが、均一にぼかされてしまうため場所によっては距離感が失われてしまいます。
そのため、このようにブラシでぼかす方法をとっています。

先ほどに比べれば処理時間はたいしたことはないと思います。
描けたらレイヤーの不透明度を10%くらいに下げます。
ここまでに作った空気感のレイヤーは、以降の作業でもちょくちょく薄さを調節します。

[2]ひとまず全体を確認する

全部の工程が終わったらすべての建物を表示し、各建物の線画レイヤーの不透明度を20%くらいにして線を薄くしてみます。
※先ほど作った空気遠近レイヤーは非表示にしています。

線画が無くても、光と影とディテールでSF都市ができ上がっている感じになってきたでしょうか。