5.塗り分け1
仕上げにむけて、下描きの配色を参考に、より細く塗り分けします。
[1]塗り分ける前の準備
■用紙レイヤーを非表示にする
塗り残しが見えやすいように線画以外に何も表示されていない状態にします。
一番下にある「用紙」レイヤーを非表示にします。
描画されていない透明な部分がグレーのタイルで表示されています。
※参考に猫を白色で塗りつぶしたレイヤーを表示しています。
■ブラシの設定
塗り分け用のブラシを設定します。
筆圧が反映されるブラシで塗り分けをすると、線に隙間や薄い部分が生まれて、塗り残しの原因になりやすくなるため、筆圧が反映されないように初期設定を変更します。
[ペン]ツール→[ペン]→[Gペン]を選んで、[ブラシサイズ影響元設定]で[筆圧]のチェックをオフにします。
下図赤枠部分のストロークのプレビューで一定の太さの線が表示されていることを確認します。
[2]女の子の肌
ブラシの準備が終わったら、女の子の肌から塗り分けを始めます。
[レイヤー]パレットで、「女の子」レイヤーフォルダーのみ表示される状態にします。
■肌の塗り分け
「女の子」→「色」レイヤーフォルダーに新規レイヤーを作成して、肌の色を先ほど設定した[Gペン]で塗ります。
色は後から変更できるので、塗り分けをするときは塗った範囲がわかりやすいように濃い赤色で塗っています。
レイヤーの枚数が増えた後の工程で塗り残しが見つかると、塗り足しなどの作業が面倒になるため、塗り分けの段階で極力塗り残しを防ぐようにします。
【POINT】
塗り分けは一番下にあるパーツから行います。今回は肌の色から塗り始めました。
髪や服など、レイヤーが上に重なっていく部分には、わざと色をはみ出させておきます。
こうしておくと、後で上に重なるパーツに色を塗ったときに、塗り残し部分ができにくくなります。
■肌の色変更
肌部分に色を置き終わったら、下描きの配色を参考に肌の色を変更します。
[編集]メニュー→[色調補正]→[色相・彩度・明度]を選び、スライダーを調整して色を変更します。
濃い赤から肌色に変えるため、[明度]の数値を大きく上げます。
また、赤から黄色よりの色にするため、[色相]のスライダーを右方向へ移動しました。
画面に表示されるプレビューを確認しながら調整します。
だいたいイメージ通りの色になったらレイヤーの名前を「肌」に変更し、[透明ピクセルをロック]を設定しておきます。
[3]目の塗り分け
「肌」レイヤーの上に新規レイヤーを作成して、目全体に赤色を塗ります。
ちょっと怖いですが、肌色の上に白で色を置こうとすると見分けがつきにくいので、ここも濃い色で塗り分けます。
塗り終わったら、肌と同じように色を変更します。
白目は真っ白な色を置くよりも少し黄色がかった、くすんだ色を置いた方が肌となじみやすいです。
また、目頭のあたりの領域を少し消しています。
白目の形は顔の印象や目線に大きく影響するため、細かく調整します。
調整が終わったら、レイヤー名を「白目」に変更して[透明ピクセルをロック]を設定しておきます。
次に、新規レイヤーを作成して、瞳の色を緑色で塗ります。
【POINT】透明ピクセルをロック
作業中のミスを減らすために、塗り分けしたレイヤー全ての[透明ピクセルをロック]を設定しています。
例えば、肌の色を塗っているときに、間違って髪の色のレイヤーを選択して塗ってしまうというような間違いを予防できます。
また、この後の工程の影の色を塗るときにはみ出しを防ぐこともできます。
[4]髪の塗り分け
髪の線画は顔の線画と重なる部分が多いため、塗り残しを避けるために顔の線画を一旦非表示にします。
この状態で髪を塗り分けます。
毛先のような細かな部分は、はみ出すように塗ってから[消しゴム]ツールで消して形を整えます。
髪と同じ色になる尻尾もまとめて塗っておきます。肌と同じように濃い色を置いてから白に変更します。
白目と同じように少し黄色っぽくすると、生き物の毛らしい印象になります。
[5]耳の塗り分け
続いて耳の内側を塗ります。
「髪」レイヤーの上に新規レイヤーを作成し、[下のレイヤーでクリッピング]を設定します。
耳の端を少し残して、色を塗ります。
[筆]ツール→[水彩]→[透明水彩]を選択し、筆圧をオフにして使用します。[ブラシサイズ]を大きめの100くらいに設定します。
この[透明水彩]で耳の中を塗ると、色を伸ばしてグラデーションが作れます。
色をなじませたら、肌、髪と同じように[編集]メニュー→[色調補正]→[色相・彩度・明度]で色を変えます。
本物の猫と同じように、血色の良い薄いピンク色に調整しました。
「耳」というレイヤー名に変更し、[透明ピクセルをロック]を設定しておきます。
体のパーツの塗り分けがひと通り終わったので、次回はコスチュームの色を塗っていきます。
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