1.新規作成からネーム・コマ割りまで
▼こちらが完成マンガです。
・作者プロフィール:餅田むぅ
男の子や女の子を描くのが好きです。公式アンソロジーなどで漫画描かせて頂くこともあります。
[1]新規キャンバスの作成
[ファイル]メニュー→[新規]を選んで新規キャンバスを作成します。
[新規]ダイアログの上部にある[作品の用途]から[すべてのコミック設定を表示](青いアイコン)を選択します。
次に、[プリセット]から[B5判カラー(350dpi)]を選択すると、A4用紙にB5判のトンボや内枠が設定されたページを作成できます。
モノクロマンガでは、解像度600dpi以上・アンチエイリアスなしで作業しますが、今回はカラーマンガ原稿なので解像度は350dpi・アンチエイリアスありの状態で作業を進めます。
[2]ラフ(ネーム)を描く
今回のマンガのキャラクター設定は、マンガ家の先生(男)と女子高生です。
マンガの講座なのでマンガを題材にしたものにしようと思い、単純だけどわかりやすいマンガ家にしました。
また、カラーマンガなので色味の多いポップなイメージにしようと思い、先生には髪ゴムやピンなど小物をあれこれ身に着けてもらいました。
2人組のキャラクターの場合は、並んだときの色味や表情、キャラクターの性格などが対照的(凸凹でこぼこ)になるように心がけています。
(1)レイヤーにラフ(ネーム)を描きます。今回のカラーマンガは、「見開きの右側ページ」という想定なので、左側にノド(本が綴じられる側)がくることをと意識しています。また、1ページのコマ数は、多くても7コマまでくらいを目安にしています。
ラフを描くときは、[鉛筆]ツール→[濃い鉛筆]サブツールを使用しています。初期設定から[硬さ]を下げて[手ブレ補正]を切っています。
(2)レイヤー名をわかりやすく「ネーム」に変更しておきます。
また、次の工程に移るために、ラフの色を水色に変更します。[レイヤープロパティ]パレットで[レイヤーカラー]を設定しました。
※[レイヤーカラー]は初期状態で水色に設定されていますが、任意の色に変更することもできます。[レイヤープロパティ]について詳しくは、以下のTIPSを参照してください。
[3]セリフの打ち込み
(1)[テキスト]ツールでセリフを打ち込みます。
基本フォントは「I-OTFアンチックStd B」(イワタアンチック体)を使用しました。(平仮名が明朝、漢字がゴシックの漫画向けフォント)
台詞はできるだけ内枠に収めるようにしますが(特にノド側はなるべく内側にする)、小口側(本が開く側)ならある程度はみ出しても大丈夫です。
※「イワタアンチック体 B」は、CLIP STUDIO PAINT EX/PROのパッケージ版、ダウンロード版、バリュー版に限定特典として付属しています。こちらのダウンロードページ内より無料でダウンロードできます。
※テキストツールの使い方について詳しくは、こちらの「基本編」と「設定編」を参照してください。
(2)新しくレイヤーフォルダーを作り、セリフのレイヤーはそこにすべてまとめておきます。フォルダー名を「台詞」(セリフ)にして[レイヤー]パレットの一番上に置きます。
[4]コマの枠線を引く
(1)[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[コマ枠フォルダー]を選択します。
(2)表示されたダイアログで、[アンチエイリアス]を[中]にして、[OK]をクリックします。
(3)キャンバス上に、コマ枠フォルダーが作成されました。内枠に沿ってひとつのコマが作成されている状態です。
(4)このひとつのコマを[コマ枠]ツールにある[枠線分割]サブツールで、ネームをもとに割っていきます。
※[コマ枠フォルダー]や[枠線分割]サブツールの使い方について詳しくは、以下のTIPSを参照してください。
(1)[枠線分割]サブツールで下図の①→②のように2回ストロークして3コマに分割したあと、[オブジェクト]ツールでそれぞれのコマのハンドル(□部分)をドラッグして形を調整します。
※今回の作例のように、コマ枠を少女マンガ風の自由なレイアウトに変更する場合には、[オブジェクト]ツールの[ツールプロパティ]の[別のコマ枠を連動]項目で[連動しない]を選択しておきます。
下図のように調整しました。
次回は、下描きとペン入れの工程を解説します。
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